工作機械において、軸端に回転対象をつけて回転させるための軸である。ときに、回転対象に精度良い回転運動を与える装置であるスピンドルユニットを略してスピンドルと呼ぶ場合も多い。
※回転対象:工作物(ワーク)や回転工具など

スピンドルユニットとは

軸端に回転対象をつけて、精度良い回転運動を与える装置のことである。但し、スピンドルユニット自体は回転運動を発生させるわけではなく、他の装置から回転運動に必要な動力を受けて回転運動させる。スピンドルユニットと動力を組み合わせた装置をスピンドルユニットと呼ぶ場合も多い。
なお、内部に動力を組み込んだスピンドルユニットもあり、動力の種類によって呼び方が変わる。例として動力が電動のものはビルトインモータスピンドル(ユニット)、エアモータのものはエアモータスピンドル(ユニット)、エアタービンのものはエアタービンスピンドル(ユニット)などと呼ぶ。

精度良い回転運動

回転中心が(動かず)安定している回転運動である。
具体的にはどういうことか?刃具を回転させて削る場合を考えてみましょう。ここで回転中心が動いてしまう回転運動で刃具を回転させるとどんな問題が起こるでしょうか。まず、刃物の回転がガタガタと振動しながら加工物に当たります。その結果、加工された表面は振動の大きさ分、表面に凸凹ができてしまうため、表面は荒れ、見た目も美しくなく、寸法精度も望めないことが容易に予想できるでしょう。加工において、回転中心が動かないということは、寸法精度、表面粗さなどの精度を向上させ、見た目にも美しい結果を生む為に必要不可欠なものなのです。

用途(一般的な工作機械を事例としています。)

  • 旋盤
  • 加工物を回転させるために使用
  • フライス盤
  • 加工工具を回転させるために使用
  • 円筒研削盤
  • 加工物を回転させるために使用
  • 砥石を回転させるために使用
  • 平面研削盤
  • 砥石を回転させるために使用

スピンドルの種類

動力スピンドル(ユニット)弊社製品
外部プーリスピンドル(ユニット)
外部のモータ等の動力により、回転させる他の動力と組み合わせて使用する。使用する動力に応じた出力特性を持たせることが可能。増速や減速をすることで、自由な回転速度設定が可能。
SIGMAシリーズ
内部(電力)ビルトインモータスピンドル(ユニット)
内部モータを組み込んでいる。単体で使用でき、装置をコンパクトに抑えることが可能。
SMC5040/5030
内部(空圧・高速)エアタービンスピンドル(ユニット)
内部にエアタービンを組み込んでいる。単体で使用でき、装置をコンパクトに抑えることが可能。比較的、高速回転な加工に向いている。
SATBシリーズ
内部(空圧・低速)エアモータスピンドル(ユニット)
内部にエアモータを組み込んでいる。単体で使用でき、装置をコンパクトに抑えることが可能。比較的、低速高トルクな加工にに向いている。
AMXシリーズ
<弊社製品>
  • プーリスピンドル(ユニット)
    外部のモータ等の動力により、回転させる他の動力と組み合わせて使用する。使用する動力に応じた出力特性を持たせることが可能。増速や減速をすることで、自由な回転速度設定が可能。
    SIGMAシリーズ
  • ビルトインスピンドル(ユニット)
    内部モータを組み込んでいる。単体で使用でき、装置をコンパクトに抑えることが可能。
    SMC5040/5030
  • エアタービンスピンドル(ユニット)・高速
    内部にエアタービンを組み込んでいる。単体で使用でき、装置をコンパクトに抑えることが可能。比較的、高速回転な加工に向いている。
    SATBシリーズ
  • エアモータスピンドル(ユニット)・低速
    内部にエアモータを組み込んでいる。単体で使用でき、装置をコンパクトに抑えることが可能。比較的、低速高トルクな加工に向いている。
    AMXシリーズ
<その他製品>
  • ATCスピンドル(ユニット)
    工具を回転させるスピンドルの一種で、ツールの脱着を行う機構を内蔵しており、周辺装置との連携により、人を介さずに工具交換が可能。
  • エア軸受(エアベアリング)スピンドル(ユニット)
    軸受けに空気静圧を採用したスピンドルユニット。極めて良好な回転精度を得られる。非接触軸受けの為、適切な使用により半永久的な寿命が得られる。
  • 油静圧スピンドル(ユニット)
    軸受けに油静圧を採用したスピンドルユニット。極めて良好な回転精度と同時に高い剛性を得られる。非接触軸受けの為、適切な使用により半永久的な寿命が得られる。